南海電鉄の新型観光列車「GRAN 天空」向けに、車内ソファクッション(1台あたり4点構成)のデザインを担当しました。
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この仕事を通じてまず考えたのは、「クッションが主役になってはいけない」ということ。深みのあるブルーのソファ、クラシカルな車内、そして窓の外を流れる景色——それらすべてが主役であり、クッションはあくまでその空間に静かに溶け込む”脇役”であるべきだと感じていました。
45角・40角・30×50cmの3サイズを組み合わせ、視覚的なリズムと自然な奥行きを演出。柄は遠目には無地に見え、近づいて初めて織りや地模様の美しさに気づくものを厳選しました。「気づいたときに、少し嬉しくなる」——そんな上質さが、旅の記憶にそっと残ってほしいと思っています。
ブルーを基調に、ゴールドベージュとボルドーをアクセントとして加え、昼から夜へと移ろう光の変化を色彩で表現。横長クッションは腰当てとしても自然に手が伸びるサイズ感にし、美しさと使いやすさを両立しています。
車窓の景色を眺めながら、身体と心をゆっくり預けられる時間。そのひとときを、クッションという小さな存在がやさしく支えられたなら——そんな願いを込めてデザインしました。
高野山へと向かう車内で、誰かがそっと背をあずけ、窓の外に目を細める。その瞬間に静かに寄り添えるクッションを、目指しました。空間に馴染みながらも、確かな存在感を放つ——そういうデザインにこそ、私は美しさを感じます。非日常が流れるその空間で、クッションは何も主張しない。ただ、確かにそこにある。それが、私の理想です。
