空き家を所有している方の中には、固定資産税の費用や管理等で発生する手間や時間に悩んでいるけれど、子供のときから慣れ親しんだ実家であったり、思い出の場所であったりなどの理由から簡単に手放したくないと考える方も多いのではないでしょうか。
空き家の問題を抱えている方に薦められることが多いのは売却ですが、今回は手放したくないとお考えの方に向けて、空き家をリフォームし、賃貸物件として人に貸していく方法をお伝えしていきます。
賃貸にする理由
空き家は人が済まない状態が継続すると、湿度や虫、ホコリなどが原因で傷んでしまい、人が住める状態ではなくなってしまいます。住んでいない状態で傷まないようにすると、定期的に掃除をしたり、窓を開けたりなど管理が必要になってきますが、それを継続するためには費用や手間がかかってしまうので、なるべく避けたいところです。
こういった問題を解決し、物件を最も長持ちさせる方法は、実際に誰かに住んでもらうことです。そのため思い入れはあるけれども自身では住めない場合には賃貸にして、状態を良好に保つというのがおすすめです。
ただし、家賃収入が入ってくるというメリットもありますが、家主としての責任も発生してくるため、リスクなどもしっかりと理解して取り組む必要があります。
リフォームで物件価値を上げる
空き家が既に傷んでしまっている場合や、より良い条件で賃貸に出す場合はリフォームが必要になりますが、戸建てとマンションで必要なリフォームの内容は変わってきます。
戸建ての場合はそもそも供給が少なく需要がある場合が多いので、キッチンや風呂・トイレなどの最低限の水回りを整備するだけでも十分な場合が多いですが、マンションでは壁紙や間取り自体を変えてしまうなど、他の部屋と差別化を図るためのリフォームも検討が必要です。
ただしマンションの場合は間取りの変更などの大規模リフォームは管理組合の許可が必要な場合や、管理規約によって禁止されている場合もありますので、必ず事前に確認をするようにしましょう。
リフォームの費用
リフォームをする上で最も気になるのは費用ではないでしょうか。戸建て・マンションそれぞれどのようなリフォームをするかで必要な費用は大きく変わってきます。
しっかりとフルリフォーム・フルリノベーションを行い、思い入れのある物件をより良くしたいという思いは理解できますが、賃貸で回収できなくなってしまっては元も子もありません。必要な箇所をしっかり見極めてリフォームを行うようにしましょう。
戸建てリフォームの費用
戸建てのリフォームは200万円程度~1000万円以上になる場合もあるなど、金額の振れ幅が非常に大きくなっております。もちろん空き家の大きさにも影響されますが、リフォームの内容で費用感が変わってきます。
原状回帰を目的とした、水回りの整備やクロスや床の張替えなどを中心としたリフォームであれば200万円~500万円程度、間取りやデザインの変更、耐震の補強などを行うようなフルリフォーム・リノベーションであれば1000万円以上必要になってくることが多くなっています。
傷みが少なく需要があるような空き家であれば原状回帰、傷んでしまっていたり差別化を図ったりしなければならない場合はフルリフォーム・リノベーションを想定すれば良いでしょう。
マンションリフォームの費用
マンションの場合は柱や梁などの構造部分に関しての維持管理は管理組合が行うため、リフォームが出来るのはそれ以外の部分となり、戸建てに比べると安価にリフォームが出来る事が多くなっております。
マンションの場合はおおよそ3つに分けられ、原状回帰を目的とした場合が200万円~300万円程度、間取り変更を伴う場合が300万円~500万円程度、スケルトンにしてしまって完全にイチからリフォームを行う場合が600万円~1000万円程度といった形で費用感が変わってきます。
マンションの場合は年代によって間取りや設備が大きく変わってくるので、築年数を参考にして検討されるのが良いでしょう。あくまで参考ですが、築年数が20年程度であれば原状回帰、30年で間取り変更、40年でスケルトンからのリフォームといった所で費用感を把握されると良いかと思います。
まとめ
空き家を売りたくないと思っていても、ただ所有しているだけでは費用や手間がかかってしまう事に加え、人が住んでいないと劣化も早くなってしまいます。リフォームで空き家の価値を高め、賃貸にすることで収入を得つつ空き家の劣化も防ぐことを検討してみましょう。
空き家リフォームに関する参考費用
戸建てリフォーム
- 原状回帰 約200万円~500万円
- フルリフォーム/リノベーション 1000万円以上
マンションリフォーム
- 原状回帰 約200万円~300万
- 間取り変更 約300万円~500万円
- スケルトンリフォーム 約600万円~1000万円